「民政府」(civil government)とは
台湾民政府の法理論述に初めて触れるとき、真っ先に浮かぶ疑問は「民政府」という言葉ではないでしょうか。変わった組織や政党だと思われがちですが、「民政府」(平民政府)とは堂々とした政府です。
政府は様々な基準に基づいて、地方政府、中央政府、連邦政府のように分類されていますが、軍事政府と平民政府(民政府)は稀に聞く言葉なので、馴染みがないのは当然です。実際、今までの歴史を見ると、民政府は常に戦争後の産物なので、平和に暮らす人々にとっては無縁のものです。民政府は戦争法に基づいて成立されます。交戦後は「軍事占領時期」に入りますが、軍事占領は軍事政府によって行われます。しかし、永久占領は国際法に違反し、必ず管理権を当地の人民に返さなければならないので、その過渡期において民政府が成立される訳です。要するに、戦争終了→軍事政府による占領→当地人民による民政府の成立→民政府が軍事政府から管轄権を受け継ぐ、という流れになります。軍事政府は戦争以外の場面を除き、ほとんど表に出ることがないため、一般人民は日常生活において、その存在すら意識していません。ちなみに、アメリカが主導する軍事政府は「米国軍事政府」(United States Military Government)略称【USMG】になります。
以下、近代アメリカが関わる民政府の実例を取上げます。
状況1:米国国会が法案を通すことによって成立された民政府
これは終戦後、戦争の発生地域がアメリカに譲渡された場合です。アメリカの国会は法案を通すことによって、当地民政府の成立依拠にします。このような状況は米墨戦争後のカリフォルニアと米西戦争後のフィリピン、グアム、プエルトリコで見られます。その後、当地の民政府は軍事政府に替わって、当地の管轄権を引き継ぎました。
政府は様々な基準に基づいて、地方政府、中央政府、連邦政府のように分類されていますが、軍事政府と平民政府(民政府)は稀に聞く言葉なので、馴染みがないのは当然です。実際、今までの歴史を見ると、民政府は常に戦争後の産物なので、平和に暮らす人々にとっては無縁のものです。民政府は戦争法に基づいて成立されます。交戦後は「軍事占領時期」に入りますが、軍事占領は軍事政府によって行われます。しかし、永久占領は国際法に違反し、必ず管理権を当地の人民に返さなければならないので、その過渡期において民政府が成立される訳です。要するに、戦争終了→軍事政府による占領→当地人民による民政府の成立→民政府が軍事政府から管轄権を受け継ぐ、という流れになります。軍事政府は戦争以外の場面を除き、ほとんど表に出ることがないため、一般人民は日常生活において、その存在すら意識していません。ちなみに、アメリカが主導する軍事政府は「米国軍事政府」(United States Military Government)略称【USMG】になります。
以下、近代アメリカが関わる民政府の実例を取上げます。
状況1:米国国会が法案を通すことによって成立された民政府
これは終戦後、戦争の発生地域がアメリカに譲渡された場合です。アメリカの国会は法案を通すことによって、当地民政府の成立依拠にします。このような状況は米墨戦争後のカリフォルニアと米西戦争後のフィリピン、グアム、プエルトリコで見られます。その後、当地の民政府は軍事政府に替わって、当地の管轄権を引き継ぎました。
状況2:当地人民によって成立した民政府
キューバ、琉球、イラクの状況はこれに該当します。領土そのものはアメリカに譲渡されていないものの、米国軍事政府【USMG】の管轄範囲内にあります。このような場合は、当地人民が更なる自治を求め、自分らの民政府を成立します。米国総司令が該当地域の今後を決めるまでに、当地の民政府は米国軍事政府【USMG】の管轄の下で運営されます。
キューバ、琉球、イラクの状況はこれに該当します。領土そのものはアメリカに譲渡されていないものの、米国軍事政府【USMG】の管轄範囲内にあります。このような場合は、当地人民が更なる自治を求め、自分らの民政府を成立します。米国総司令が該当地域の今後を決めるまでに、当地の民政府は米国軍事政府【USMG】の管轄の下で運営されます。
第二次世界大戦期間、台湾に対する軍事攻撃は全て米軍が行い、中華民国を含む他国の軍事部隊は一切参与しませんでした。そのため、国際法により、アメリカは台湾に対する軍事占領の責任と義務を有しています。1945年9月2日にマッカサー将軍の「一般命令、第一号」で蒋介石軍が盟軍代表として、台湾で行われた日本軍降伏儀式に参加し、軍事占領を行いました。しかし、これはあくまでも「代理関係」にあります。1952年4月28日のサンフランシスコ平和条約の23(a)において、アメリカは主要占領権国と明記されており、さらに、同条約の4(b)から、アメリカ軍事政府は台湾の管轄権を有することが理解できます。このように、台湾は未だにアメリカの占領領土であり、現に「台湾関係法」はアメリカ合衆国の国内法で、その実施及び監督する義務を持つのはアメリカ議会とされています。
【サンフランシスコ平和条約 参考日本語訳】
第二十三条
(a)この条約は、日本国を含めて、これに署名する国によって批准されなければならない。この条約は、批准書が日本国により、且つ、主たる占領国としてのアメリカ合衆国を含めて、次の諸国、すなわちオーストラリア、カナダ、セイロン、フランス、インドネシア、オランダ、ニュー・ジーランド、パキスタン、フィリピン、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国及びアメリカ合衆国の過半数により寄託された時に、その時に批准しているすべての国に関して効力を生ずる。この条約は、その後これを批准する各国に関しては、その批准書の寄託の日に効力を生ずる。
第四条
(b)日本国は、第二条及び第三条に掲げる地域のいずれかにある合衆国軍政府により、又はその指令に従つて行われた日本国及びその国民の財産の処理の効力を承認する。
【サンフランシスコ平和条約 参考日本語訳】
第二十三条
(a)この条約は、日本国を含めて、これに署名する国によって批准されなければならない。この条約は、批准書が日本国により、且つ、主たる占領国としてのアメリカ合衆国を含めて、次の諸国、すなわちオーストラリア、カナダ、セイロン、フランス、インドネシア、オランダ、ニュー・ジーランド、パキスタン、フィリピン、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国及びアメリカ合衆国の過半数により寄託された時に、その時に批准しているすべての国に関して効力を生ずる。この条約は、その後これを批准する各国に関しては、その批准書の寄託の日に効力を生ずる。
第四条
(b)日本国は、第二条及び第三条に掲げる地域のいずれかにある合衆国軍政府により、又はその指令に従つて行われた日本国及びその国民の財産の処理の効力を承認する。